オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」を新国立劇場で観劇した。
オルフェオをカウンターテナー ローレンス・ザッゾが、エウリディーチェをソプラノ ヴァルダ・ウィルソンが演じた。演出、美術、衣裳、照明は勅使河原三郎、冥界の世界を一切の無駄をそぎ落として表現し、歌手の声を際立たせていた。
「オルフェオとエウリディーチェ」はグルックの作、ウィーンのブルク劇場で1762年に初演され、その後途切れることなく世界の歌劇場で上演されている。平明、簡潔に示されたドラマ性、音楽と詩の一体化が聴く者を惹きつける。
オルフェオはギリシア神話に登場する吟遊詩人、全知全能の神アポロンにより竪琴の名手となり、死後琴座となる。その妻、エウリディーチェは新婚早々に毒蛇にかまれ冥府に。オルフェオが冥界に行き、エウリディーチェを連れ戻そうとする。振り向いてはならぬと言われていたものの、耐えきれず振り向いた瞬間、エウリディーチェは息絶えるが、オペラでの結末は如何に。