学園徒然なるままに(1)~音楽の価値の再認識

これまでの人生においても、素人なりに音楽に触れ、エレクトーンやサックスなどの楽器を手にしながら、音楽の素晴らしさを感じながら生きてきたが、偶然にも縁あって音楽学校にやってきた。特に演奏系の専攻者であれば、おそらく朝から晩まで、食事の時間も惜しみながら演奏の練習に没頭していることであろう。自分の好きを貫き、演奏家を目指して励む姿は、自分の学んだ芸術系以外の学校の日常とは全く違った世界である。また、密度の異なる時間が流れている。多くの学生が3歳、4歳の頃から音楽の素晴らしさに目覚め、たゆまぬ努力を重ねてきている。音楽に人生をかける姿は美しいし、それほどに音楽には価値がある。あらゆる芸術について言えることであると考えるが、お金には代えがたい価値である。音楽を学ぶ学生の姿を目近に見ていると、あらためて音楽の、そして芸術の、人間が心豊かに生きていく上でなくてはならない素晴らしさや尊さ、何にも優る偉大なる価値を再認識するところである。