France Paris

フランス、ルーブルの魅力

「聖母子と聖ヨハネ」ラファエロが16世紀初め、フィレンツェ滞在中に描いた作品。ラファエロ特有のピラミッド型構図により、温かい眼差しの聖母、聖書に手を伸ばすイエス、十字架を支えるヨハネが優しく表現される中、イエス受難の予兆が示されている。

「カナの婚礼」ヴェロネーゼが16世紀後半、ヴェネチアに招聘されて描いた作品。パッラディオ建築によるサン・ジョルジュ・マッジョーレ修道院の食堂を装飾するため描かれたルーヴル一の巨大な絵。ナザレ北方にあるカナの街の結婚式に出席したイエスが葡萄酒の足りなくなった祝宴の主人のために石甕の水を葡萄酒に変えたという聖書に記された聖体の秘蹟が、当時のヴェネチアや東洋の豪華な衣装や文化を混じえながら表現されている。

「レースを編む女」フェルメールがオランダ黄金期17世紀後半に描いた作品。レースを編む女性の日常風景を描く。前景や周囲のぼやけた表現とは対照的に女性のレースを編む手元やレース糸などが精密に鮮明に描かれ、鑑賞者の視線を中央部分に集めている。女性のレモン色の衣装、編み物のパールグレイ、画面左手の紺色のクッションや白、赤の垂れ糸などの宝石のような配色、配置はゴッホをも魅了したとされる。