世界秩序が塗り替わろうとしている。グローバルサウスの台頭である。インドは、2023年、人口14億2860万人となり、世界最大の人口大国となった。また、インドは、2026年にはGDPについても日本を上回る見通し。今や、世界人口80億人のうち新興国77か国グループ(G77)が6割を占める。米中による世界二分論から、グローバルサウスの勢力を前提とした新たな国際秩序に向かうことになるのか。 (NIKKEI参照)
NASDAQ-世界を変えた証券市場の歴史(翻訳版)
ナスダック証券市場の歴史を著したMark Ingebretsenによる原書 ”NASDAQ A HISTORY OF THE MARKET THAT CHANGED THE WORLD”を翻訳し、「NASDAQ-世界を変えた証券市場の歴史 増補新版」、昨年末(2023年12月)をアマゾンから出版しました。ナスダックを中心とした米国の証券市場の歴史とその中でナスダックが資本市場において果たしてきた役割、そして21世紀初頭におけるナスダックのグローバル戦略構想について詳細に記した書籍の翻訳書です。原書が発行されてから20年が経ちますが、このたびこの20年間の変化に関する原著者による補筆が完了したことから、補筆分の翻訳を加えた増補新版としてこの翻訳書を出版することとしました。アマゾンのウェブサイトは次のとおりです。
訳者である私がこのナスダックに関するこの原書に最も感銘を受けたのは、一つには、新興企業の成長及びそれら新興企業のイノベーションがもたらす産業や経済全体の発展をナスダックが資本創造のエンジンとして支えてきたそのダイナミズム、また一つには、20世紀初頭当時のフランク・ザーブ会長が24時間/7日間のグローバル市場構築を目指していたその先見性である。特に後者に関して、通信業界に携わっていた訳者は、グローバルインターネットが目覚ましい勢いで拡大普及していく状況にあった当時、このグローバル証券市場構築の可能性と成長性を強く感じ、事業提携の可能性について模索していたことを記憶している。
原著者によれば、原書は、米国金融業界関係者や企業財務責任者等に広く読まれたほか、ハーバード大学など米国のビジネススクール等でも経営幹部向け教材として使われた書籍です。今回発刊の翻訳書についても経営層、財務責任者、ビジネスマン、ビジネススクールの教員、学生等、日本の幅広い読者の皆様に是非ご一読いただきたい書籍です。
原著者Mark Ingebretsenについては、次をご参照ください。
Giselle
ジゼル(Giselle)を新国立劇場で観た。Giselle 柴山沙帆、Arbrecht 井澤駿。
ストーリーは、既に他の女性と婚約をしていた公国の王子アブレヒトと美しい村娘ジゼルの悲しい恋の物語。
ジゼルは、1841年、パリオペラ座で初演、カルロッタ・グリジのジゼルの優美なバレエが彼女の名声を不動のものにしたとされる。音楽は、アドルフ・アダン。
ジゼルは、パリで生まれ、ロシアで守られ、そして再びヨーロッパで復活したロマンティックバレエ不朽の名作とされる。
今回は、吉田都舞踏芸術監督の演出、Alastair Marriott改訂振付による作品。音楽とバレエの踊りのハーモニーが感動的であった。また、Dick Birdの舞台美術や衣装制作もバレエの美しさを引き立てていた。トウシューズのつま先のみで小刻みに空中浮遊するかのように踊るポワン技法が印象的であり、また10数人の踊り子達の一糸乱れぬ動きが美しかった。
学園徒然なるままに(2)~自律あっての自由
多くの学校に、自主、自律、自由といった建学の精神があると思うが、自律あっての自由であることを認識することが重要である。自律のない自由は無秩序である。一方、これを規則で縛ろうとすると、自律性は育たない。そう考えると、自由を謳う前に、まずは自主性、自律性をどう育てるかということが大事であると感じる。これは学びの世界に限らないことでもある。
学園徒然なるままに(1)~音楽の価値の再認識
これまでの人生においても、素人なりに音楽に触れ、エレクトーンやサックスなどの楽器を手にしながら、音楽の素晴らしさを感じながら生きてきたが、偶然にも縁あって音楽学校にやってきた。特に演奏系の専攻者であれば、おそらく朝から晩まで、食事の時間も惜しみながら演奏の練習に没頭していることであろう。自分の好きを貫き、演奏家を目指して励む姿は、自分の学んだ芸術系以外の学校の日常とは全く違った世界である。また、密度の異なる時間が流れている。多くの学生が3歳、4歳の頃から音楽の素晴らしさに目覚め、たゆまぬ努力を重ねてきている。音楽に人生をかける姿は美しいし、それほどに音楽には価値がある。あらゆる芸術について言えることであると考えるが、お金には代えがたい価値である。音楽を学ぶ学生の姿を目近に見ていると、あらためて音楽の、そして芸術の、人間が心豊かに生きていく上でなくてはならない素晴らしさや尊さ、何にも優る偉大なる価値を再認識するところである。