Giselle

ジゼル(Giselle)を新国立劇場で観た。Giselle 柴山沙帆、Arbrecht 井澤駿。

ストーリーは、既に他の女性と婚約をしていた公国の王子アブレヒトと美しい村娘ジゼルの悲しい恋の物語。

Carlotta Grisi, lithograph 1841

ジゼルは、1841年、パリオペラ座で初演、カルロッタ・グリジのジゼルの優美なバレエが彼女の名声を不動のものにしたとされる。音楽は、アドルフ・アダン。

ジゼルは、パリで生まれ、ロシアで守られ、そして再びヨーロッパで復活したロマンティックバレエ不朽の名作とされる。

今回は、吉田都舞踏芸術監督の演出、Alastair Marriott改訂振付による作品。音楽とバレエの踊りのハーモニーが感動的であった。また、Dick Birdの舞台美術や衣装制作もバレエの美しさを引き立てていた。トウシューズのつま先のみで小刻みに空中浮遊するかのように踊るポワン技法が印象的であり、また10数人の踊り子達の一糸乱れぬ動きが美しかった。

 

Lady, Kenny Rogers

Kenny RogersのLadyは、CommodoresのLionel Richieが楽曲提供した名曲。リリースは1980年。2020年に81歳で没したのが、惜しまれる。

”Lady, I’m your knight in shining armor and I love you
You have made me what I am, and I am yours
My love, there’s so many ways I want to say, I love you
Let me hold you in my arms forever more

You have gone and made me such a fool
I’m so lost in your love,
And oh girl, we belong together
Won’t you believe in my song

Lady, for so many years I thought I’d never find you
You have come into my life and made me whole
Oh forever, let me wake to see you each and every morning
Let me hear you whisper softly in my ear

In my eyes I see no one else but you
There’s no other love like our love
And oh yes, girl I’ll always want you near me
I’ve waited for you for so long

Oh lady, your love’s the only love I need
And beside me is where I want you to be
‘Cause my love, my love, there’s something I want you to know
You’re the love of my life, of my life
You’re my lady

Giulio Cesare

クストゥ作 ルーブル収蔵

ヘンデルのジュリオ・チェーザレを新国立劇場で観劇した。チェーザレ マリアンネ・ベアーテ・キーランド(メゾソプラノ)、クレオパトラ 森谷真理(ソプラノ)、コルネーリア 加納悦子(メゾソプラノ)、トロメーテ 藤木大地(カウンターテナー)、セスト 金子美香(メゾソプラノ)、ニレーノ 村松稔之(カウンターテナー)、等の各氏が演じた。音楽は、リナルド・アレッサンドリーニ(イタリア)指揮による東京フィルハーモニー交響楽団である。

休憩を挟むとは言え、4時間余りに及ぶ公演を飽きさせることもない、各歌い手の熱演ぶりに圧倒された。ヘンデルのバロックオペラ特有のレチタティーヴォとダカーポアリアを見事に歌い上げていた。音楽の美しさや楽しさを背景にオペラの醍醐味を存分に味わうことができた。中でも、クレオパトラ役の森谷氏の透き通っていて明瞭で伸びのあるソプラノが印象的であった。また、バロックオペラの花形カストラートは現代ではカウンターテナーが担っているが、ニレーノ役の村松氏のカウンターテナーは最初男性とは気づかないほどであるとともに、ユーモアのある演技は好演であった。

ロラン・ペリー(フランス)演出による舞台は博物館の倉庫の設定で、登場人物に合わせて彫像が運び出され、観客を歴史の中に引き込む効果をもたらしていると感じた。パリオペラ座でも使用された舞台道具であろうか、一つ一つの彫像や絵画が大きく、オペラ全体の迫力を倍加させていた。

Orfeo ed Euridice

楽譜イラスト1764

オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」を新国立劇場で観劇した。

オルフェオをカウンターテナー ローレンス・ザッゾが、エウリディーチェをソプラノ ヴァルダ・ウィルソンが演じた。演出、美術、衣裳、照明は勅使河原三郎、冥界の世界を一切の無駄をそぎ落として表現し、歌手の声を際立たせていた。

「オルフェオとエウリディーチェ」はグルックの作、ウィーンのブルク劇場で1762年に初演され、その後途切れることなく世界の歌劇場で上演されている。平明、簡潔に示されたドラマ性、音楽と詩の一体化が聴く者を惹きつける。

オルフェオはギリシア神話に登場する吟遊詩人、全知全能の神アポロンにより竪琴の名手となり、死後琴座となる。その妻、エウリディーチェは新婚早々に毒蛇にかまれ冥府に。オルフェオが冥界に行き、エウリディーチェを連れ戻そうとする。振り向いてはならぬと言われていたものの、耐えきれず振り向いた瞬間、エウリディーチェは息絶えるが、オペラでの結末は如何に。