伊豆箱根湘南風土記(15)鴫立庵

大磯鴫立沢にある鴫立庵を訪ねた。ここは300年以上続く俳諧道場であり、また湘南発祥の地であるともされる。

江戸時代初期寛文年間(1660年頃)に、小田原の外郎(ういろう)一族出身の崇雪(そうせつ)が石仏の五智如来像をこの地に運び、これを本尊として西行寺建立を目的として初めて庵を結んだとされる。平安時代末期の歌人、西行法師が大磯周辺の海岸を吟遊し、「心なき身にもあはれはしられけり鴫立沢の秋の夕暮れ」と詠んだことから、崇雪は鴫立沢の標石を建てた。崇雪はまた鴫立沢の景色を、中国湘江の名南方一帯の「湘南」の景色に重ねて「著盡湘南清絶地」と碑に刻んだことから、「湘南」の名称発祥の地とされている。

入口はいって手前の鴫立庵室(写真上)は、元禄・宝永時代の初代庵主、伊勢出身の大淀三千風(おおよどみちかぜ)が建てたとされ、歴代庵主の住まいとして使われているとのことである。三千風以来、現在の第二十三世庵主、本井英(もといえい)に至るまで時代を超えて脈々と引き継がれているとのことで、まさに驚きである。鴫立庵室の奥が俳諧道場(写真下)で、三千風入庵後70年を経て増築されたとのことであり、「俳諧道場」の扁額が掛けられており、鴫立庵の正庵となっている。いずれも萱葺の風情のある建物である。

俳諧道場の奥には、円位堂がある。三千風が元禄時代に建てたままの建物で、この堂も厚い萱葺で被われている。堂内には等身大の西行法師の座像が安置されている。

俳諧道場の前には、法虎堂があり、三千風在庵の頃に江戸吉原から寄進された有髪僧体の虎御前十九歳の木像が安置されている。虎御前は大磯の遊女で、建久4年(1193年)の仇討ち事件で有名な曽我兄弟のうちの曽我祐成の妾であったが、無罪放免となるも出家して信濃善光寺に赴いたとされる。

鴫立庵の敷地奥には、崇雪が迎えた釈迦、阿弥陀、大日、阿閦(あしゅく)、宝勝の五仏の五智如来像が安置されている。

勝手口近くには、大磯出身で鋳金家でもあった第十五世庵主原昔人(はらせきじん)が正岡子規に贈った「蛙鳴蝉噪(あめいぜんそう)の蛙」の像が建てられている。

鴫立庵室の軒下には雛飾りが吊られていた。手作りのひな人形が見事であった。

伊豆箱根湘南風土記(14)石橋山古戦場及び佐奈田霊社


石橋山古戦場と佐奈田霊社を訪ねた。西湘バイパスを降りて、135号線を湯河原方面に進んだすぐの極めて細い道を昇ると、佐奈田霊社の駐車場に着く。一面がみかん畑であり、どの枝にもみかんが豊かに実っている。海には、紺碧の相模湾が広がっており、右手遠方には伊豆大島、そして左手遠方には湘南海岸が一望できる。

石橋山古戦場は、源頼朝が治承4年(1180年)に以仁王の遺命を受けて平家追討の挙兵をした処である。これには相模の名族三浦氏、岡崎四郎義実やその子真田(佐奈田)与一義忠も参陣した。急な挙兵のため頼朝軍は300、これに対して平家側は相模の豪族、大庭景親、伊東祐親などが率いる3、000の兵力であった。佐奈田与一は僅か15騎ながら豪族大庭景親の弟、俣野五郎景久の75騎と戦い、俣野を組み敷き討たんとした時、刃についた血のりのため鞘から短刀が抜けず、逆に敵に討たれ、命を落とした。駆け付けた与一の郎党、文三家安も8人を討ち取るも、壮烈な戦死を遂げたとのことである。源頼朝らは土肥一族などに助けられて、無事落ち延びて、やがて平家を倒し、鎌倉幕府を開くことになったことは、広く知られているとおりである。

吾妻鏡によれば、源頼朝は建久元年(1190年)に伊豆山権現参詣の帰りに、与一と文三の墓を訪れ落涙したとされていることから、石橋山の戦いの後まもなく墓が築かれたようである。

佐奈田霊社には佐奈田与一が祀られた。仏寺であるが、一方、与一が天皇から神格化されたことから神社でもあり、霊社と呼ばれ、天皇家の人々も参拝しているとのことである。与一は討たれた時、声が出せなかったことから、お参りすると咳やのどに効用があるとされる。また、そのためか、明治、大正以降、東京の木遣の人々から多額の奉納がされている。本殿は大正期に建造されたようで、本殿前の小規模な建物が元々あった御堂であるとのことである。御堂の中には、干支観音が祀られているようであるが、中を見ることはできなかった。境内には、佐奈田与一の手附石が祀られ、与一の手形が石に残されている。また、魚を抱く魚籃観音の彫像が建てられていたのが珍しく目を引いた。

霊社下には、与一の組み討ちのあった「ねじれ畑」と呼ばれる畑が残っているが、この戦いの後、畑の作物が捻れて育つと謂われる。また、ねじれ畑のすぐ近くには、文三を祀った文三堂があり、内部の壁面には陶山文三公の肖像画が掲げられている。

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Kindle-Wordでインタラクティブ目次作成(PCの場合)


Kindleの目次作成ですが、Wordを利用してインタラクティブ目次を作成するのが一番わかりやすと思います。

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