鎌倉五名水
水に恵まれない鎌倉にあって、質の良い清水が湧き出る泉をもって五名水とされ、新編鎌倉誌に鎌倉に五名水ありと記されている。
梶原太刀洗水、金龍水、銭洗水、日蓮乞水、不老水の5つ。梶原太刀洗水は、朝比奈切通途中にあり、梶原景時が上総介広常を謀反ありとして討ちとり、血の付いた太刀をそこで洗ったとされる。
銭洗水は銭洗弁財天宇賀福神社岩窟に湧き出る清水で、源頼朝の夢に現れたとされる。北条時頼がこの水で金銭を清めると清浄の福銭になると人々に勧めたことから、商売繁盛を願う参詣者が訪れるようになったとされる。
日蓮乞水は、名越切通を越えて鎌倉に入った日蓮が水を求めて杖を突き立てたところに泉が湧き出て、以後涸れることがなかったとされる。
不老水は建長寺境内にあったとされるが不明、金龍水は建長寺門前にあったとされるが工事で埋められて現存しない。
名水はいつの世も歴史を生み出すものであり、当時の争いや人々の思想を映し出している。