伊豆箱根湘南風土記(19)鎌倉 浄智寺

鎌倉の浄智寺を訪ねた。五代執権北条時頼の三男宗政の菩提を弔うため、宗政夫人と息子師時が1281年に創建した鎌倉五山第四位の禅刹とされる。

総門を潜ると唐草模様の鐘楼門がある。

本堂である曇華殿には、過去、現在、未来を示す阿弥陀、釈迦、弥勒の座像が安置されている。

境内の典雅なしだれ梅が目に留まった。

裏手には萱葺きの書院があり、臥龍式の渡り廊下とともに風雅を感じさせる。

マリアとキリスト像なのだろうか。意外な彫像が置かれていた。

右手奥には、七福神の一つ、布袋尊が祀られている。弥勒菩薩の別の姿であるともいわれ、知恵を授け、福徳円満をもたらしてくれる神様であるとされる。実に良いお顔をされていた。

境内には、安藤寛、『結界に降る雨あしは光りつつ、深き杉生のみどりにしづ舞』などの歌碑もある。

境内には、梅のほかにも、牡丹、福寿草、水仙などの花々も美しく咲いていた。

総門手前の石の太鼓橋の傍には、鎌倉十井の一つ、甘露ノ井がある。

(かまくら春秋『鎌倉の寺』参照)